大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院とGEヘルスケア・ジャパンは、IoTやAIを駆使した病院「Brilliant Hospital」構想を実現するため、2018年7月~2021年6月までの包括契約を締結したと発表した。GEヘルスケア・ジャパンのアセット・パフォーマンス・マネージメント(APM)ソリューションを倉敷中央病院に導入し、医療機器の適正運用を図るとしている。

 2018年11月2日に開催した記者説明会に登壇したGEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長 兼 CEOの多田荘一郎氏は、医療機器産業に変化が求められていると説く。医療機器には、機能や性能の高さだけでなく、効率的に運用できることが求められていくという。これまでは新しい製品を使ってもらうことにエネルギーを費やしていたが、「質の高い医療を提供するためには効率化を図らなくてはいけない。そのお手伝いをするのがBrilliant Hospitalの構想だ」と同氏は位置付ける。

2018年11月2日に開催した記者説明会の様子
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Brilliant HospitalおよびBrilliant Factoryの概要
Brilliant HospitalおよびBrilliant Factoryの概要
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 Brilliant Hospitalとは、医療機関内の人やモノをIoTで接続し、導線や稼働状況に関するデータ分析を行うことで、医療スタッフの働き方や医療機器の稼働を効率化することを目指すもの。工場の効率化を図ってきた「Brilliant Factory」の考え方を医療機関に応用した格好だ。

 今回、倉敷中央病院に導入したAPMソリューションは、データを分析して機器を最適に運用することを支援する。具体的には、医療機器にセンサーを付けて位置情報をモニタリングし、PACS(医療用画像管理システム)やRIS(放射線科情報システム)、電子カルテのデータと突合する。これによって機器の稼働状況を可視化し、資産を適切に運用・管理することにつなげる。