医療資源が乏しい地方の病院から都市部の専門医療機関への患者搬送に、ジェット機を使う。北海道が今夏、全国に先駆けてそんな取り組みを始めた。道医師会が主導し、札幌医科大学附属病院と手稲渓仁会病院が調整役を担う。ドクターカーやドクターヘリに続く新たな医療用搬送手段として、注目を集めそうだ。

メディカルウイングの運航には、2種類の小型ジェット機計4機を使う。写真は、そのうちの1機「セスナ560型サイテーションV」。全幅15.9m、全長14.9m。最高速度は793km/時(撮影協力:中日本航空、以下の機体写真も)
メディカルウイングの運航には、2種類の小型ジェット機計4機を使う。写真は、そのうちの1機「セスナ560型サイテーションV」。全幅15.9m、全長14.9m。最高速度は793km/時(撮影協力:中日本航空、以下の機体写真も)

 高度医療を必要とする患者を、ジェット機で専門医療機関に搬送する――。そんな取り組みが始まったのは今年7月末のこと。北海道を実施主体とする患者搬送固定翼機運航事業、通称「メディカルウイング(Medical Wings)」だ。道医師会が事務局を務める北海道航空医療ネットワーク研究会が事業を受託。ジェット機の運航は愛知県に本社を置く中日本航空が担う。

 医療専用のジェット機を運航する試みは国内初。ドクターカーやドクターヘリなどとともに、地域の救急医療や高度医療の一翼を担うことが期待されている。