専用包装体にMEDLLECTタグを取り付けて使う
専用包装体にMEDLLECTタグを取り付けて使う
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 服薬履歴管理システム「MEDLLECT」。医薬品の包装材料開発、受託製造・包装を行うカナエが、ソニーと共同で開発した同システムは、錠剤を包装から取り出したことを自動的に記録・管理できるもの。その記録を患者自身、あるいは薬剤師などがモニタリングすることで、服薬アドヒアランスの向上につなげることを狙うシステムである(関連記事:「包装」企業が服薬履歴管理システムを開発したワケ)。

 PTP包装シートの裏面(アルミ箔側)に導線を付した専用包装体、そのPTP包装体に取り付けて使用するMEDLLECTタグ、クラウド上で患者情報・服用情報を管理するアプリケーションから成るMEDLLECT。錠剤を取り出したときに導線が切断することによる電圧変化をMEDLLECTタグ内のモジュールが検知、それを服薬時刻(服薬履歴)として記録する。モジュールに記憶された服薬データは、FeliCa対応のスマートフォンなどを介してクラウド上のサーバーにアップロードできる。

 このMEDLLECTの有用性はいかなるものなのか――。同システムの実用化に向けた実証実験が、保険薬局の協力の下に始まった。その舞台となったのは、千葉県を中心に28店舗の保険薬局を運営する友愛メディカル(本社:千葉県松戸市、代表取締役会長 尾崎秀子氏)だ。

友愛メディカルの店舗外観
友愛メディカルの店舗外観
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