「日本には900万人の難聴者がおり、そのうちの40万人が人工内耳によって音を獲得できる可能性がある」――。
人工内耳を手掛ける日本コクレア 代表取締役社長の清水博行氏は、こう語る。人工内耳は、音を聞くことが難しい人に対して内耳や聴神経の代わりとなって働く人工臓器。日本では35年前に初めて人工内耳手術が行われて以来、これまでに1万人が人工内耳を装用している。まだまだ多くの人が人工内耳によって音を獲得できる可能性があるにも関わらず、「難聴や人工内耳の認知度が低い」と清水氏は訴える。
こうした現状を打破する一手と位置付ける人工内耳を、日本コクレアは2017年10月2日に発売した。小型で目立たない人工内耳の体外装置「KANSO サウンドプロセッサ」である。装用していることが目立たない特徴を生かし、人工内耳を普及させたい考えだ。