あなたの心の状態を最もよく理解しているのは、自分自身でも医師でもなく、普段から身に着けている“眼鏡”かもしれない――。装着者のまばたきや視線移動、姿勢などを測定できる眼鏡型ウエアラブル端末とスマートフォンを使って、日々の心の健康状態(メンタルヘルス)を可視化する。眼鏡の企画・販売などを手掛けるジェイアイエヌが、そんな研究に着手した。

眼鏡型ウエアラブルとiPhoneで臨床研究
眼鏡型ウエアラブルとiPhoneで臨床研究
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 同社は2016年10月5日、モチベーションやストレス、喜怒哀楽などの心の状態を調査することを目的に開発したiPhoneアプリ「JINS MEME MEDICAL LAB」を発表した。医学・健康分野の研究支援を目的に米Apple社が提供するオープンソースフレームワーク「ResearchKit」を活用したアプリである。ジェイアイエヌはこのアプリを使った臨床研究を、同社の眼鏡型ウエアラブル端末「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」の利用者などを対象に同月から始める。

 ResearchKitを用いた臨床研究のうち、ウエアラブル端末で取得するデータの解析を前提とした研究はこれが初めて。研究を通じ「眼鏡を掛けているだけで、心の動きを把握できる。そんな世界を実現したい」(ジェイアイエヌ JINS MEMEグループ 事業開発担当の井上一鷹氏)。2015年から義務化された、企業のストレスチェックなどにも応用できるとにらむ。