8K(8000×4000画素級)映像、いわゆるスーパーハイビジョンを用いた外科用内視鏡が、ついに発売された。かねて開発を進めてきたベンチャー企業のカイロス(東京都)が2017年9月29日、世界初の8K硬性内視鏡システムを製品化したと発表した。

 術野の高精細画像を大型モニターに映しながら、内視鏡手術を行えるようになる。2Kや4K対応の硬性内視鏡とは「異次元の臨場感や実物感、奥行き感を提供する」(カイロス 代表取締役会長の千葉敏雄氏)としている。

大型モニターを見ながらの手術を可能に(カイロスが紹介した映像から)
大型モニターを見ながらの手術を可能に(カイロスが紹介した映像から)
[画像のクリックで拡大表示]

千葉氏はもともと外科医で、2012年に8K技術の医療応用を目指すメディカル・イメージング・コンソーシアム(MIC)を設立。NHKなどと共同で8K硬性内視鏡の開発を進めてきた(関連記事)。「内視鏡手術では、血管や神経など大事なものがきちんと見えることが一番大切。8Kは2Kや4Kとは非連続な質感を備えた究極の画像で、外科医が使う一番細い手術用糸なども明瞭に見える」(千葉氏)。