血糖変動を抑え、低血糖も回避

 発表会には、東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 准教授の西村理明氏が登壇。「糖尿病ケアは次の時代へ」と題し、FreeStyle リブレが糖尿病診療にもたらすインパクトを語った。

 西村氏はまず、FreeStyle リブレの対象となるインスリン使用患者は「糖尿病患者の15%ほどだが、医療費では(インスリンは使わず薬などで治療している患者の)2~3倍かかっている」と指摘した。重症化して糖尿病性腎症になり、透析治療を受ける患者も少なくない。透析治療の医療費は、1人当たり年間500万円ほどにものぼる。

糖尿病診療にもたらすインパクトを説明する東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 准教授の西村理明氏
糖尿病診療にもたらすインパクトを説明する東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 准教授の西村理明氏
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 医療費の点からも患者の血糖コントロールが強く求められているものの、その指標として使われてきたHbA1cには不十分な面があったという。「医師にとってのアンメットニーズとして、低血糖の回避と血糖変動の最小化という2つの課題があった」と西村氏は指摘する。血糖値の変動幅が大きいと心血管イベントを起こしやすいことが知られているほか、低血糖で倒れれば命を落とす危険もある。

 FreeStyle リブレはこうした課題に応えるもので「痛みなしに使える点からも理想的なデバイスだ」(西村氏)。FreeStyle リブレを使うことで低血糖の出現を大幅に抑えられるといった効果が、既に明らかになってきている。手軽に測定(スキャン)できることから、測定回数も従来の方法に比べて増える傾向にあるという。FreeStyle リブレの登場によって「今後1~2年で糖尿病診療にパラダイムシフトが起こる。患者の満足度も非常に高まるのではないか」と西村氏は話している。