2015年7月に開催された「国際モダンホスピタルショウ2015」。来場者の注目をひときわ大きく集めていた展示があった。この展示会に合わせて発表・販売開始された、富士通の大規模病院向けWeb型電子カルテシステム「HOPE LifeMark-HX」(以下、LifeMark-HX)だ(関連記事)

「国際モダンホスピタルショウ2015」では大きな注目を集めていた
「国際モダンホスピタルショウ2015」では大きな注目を集めていた
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 1999年に業界初の電子カルテシステムをパッケージ化して以来、富士通の旗艦システムとして電子カルテ市場を牽引してきたのが「HOPE EGMAINシリーズ(EX、FX、GX)」。これら従来のシステムに対して、今回のLifeMark-HXは開発言語やデータベースを含むすべての構造を一新し、新たなアーキテクチャーの下に開発したのが最大の特徴だ。

将来の医療データ活用構想も見据える

 さらに今回のLifeMark-HXは、将来の医療データ活用構想に向けた戦略的システムでもある。具体的には、富士通は医療・介護・健康分野における情報を活用しやすい形で集約・統合したヘルスケアICT基盤「Healthcare Information Suite」の実現を目指すと宣言。その第1ステップと位置付けるのが、LifeMark-HXなのである。

 今後は、富士通がこれまで提供してきた中規模病院向け電子カルテシステムもLifeMark-HXのアーキテクチャーの下に収束。クリニック向け電子カルテシステム、介護支援システム、健診システムなどをHealthcare Information Suiteとして提供し、データを集約・利活用できる環境を構築する考え。

Healthcare Information Suite実現に向けた第1ステップとなるHOPE LifeMark-HX(出典:発表資料)
Healthcare Information Suite実現に向けた第1ステップとなるHOPE LifeMark-HX(出典:発表資料)
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 Healthcare Information Suiteで集約した医療・介護・健康情報は、地域医療福祉情報連携基盤である「HumanBridge」で他社システムを利用する施設との患者・介護サービス利用者連携を推進する。政府が再利用可能な医療・介護・健康分野のデジタルデータを網羅的に収集する仕組の構築を目指す中、Healthcare Information Suiteのデータは、将来的にこうした次世代医療ICT基盤に対してデータ提供していくことを見据えている。

 こうした戦略的新製品であるLifeMark-HXにおける大型刷新の詳細について、富士通 ヘルスケア事業本部 医療ソリューション事業部 事業部長代理の中川昌彦氏に聞いた。