「臨床に近い先生といわば“寝食を共に”する。新たな知見を(臨床現場に)持ち込むことで新しいアイデアが生まれるなら、それこそがオープンイノベーションの最たるものだ」(東芝メディカルシステムズ 代表取締役社長の瀧口登志夫氏)。

 モダリティーごとの性能に軸足を置いた医療機器開発から、医療機関や患者に与える“価値”を重視した医療機器開発へ。作り手と使い手が手を組み、一つ屋根の下でそうした機器開発を進めるべく、東芝メディカルと国立循環器病研究センター(国循)がタッグを組む。

協定の調印式に臨む東芝メディカルシステムズ 代表取締役社長の瀧口登志夫氏(向って右)と国立循環器病研究センター 理事長の小川久雄氏
協定の調印式に臨む東芝メディカルシステムズ 代表取締役社長の瀧口登志夫氏(向って右)と国立循環器病研究センター 理事長の小川久雄氏
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 両者は2016年9月20日、医療・ヘルスケア分野の機器、システム、サービスの研究開発と実用化に関する包括協定を結んだ(ニュースリリース)。循環器領域でかねて進めてきた個別の協業を拡張し、「人的・知的・物的資源の交流と活用を加速する」(東芝メディカルと国循)。

 東芝メディカルがこの提携で狙うのは、「従来は単発だったものを貫くトータルソリューションを開発し、日本から世界へ発信する」(瀧口氏)こと。「モダリティーごとにどういう診断をするか」(同氏)に軸足を置いてきた、従来の開発スタイルからの脱皮を目指す。