理事長の神野氏が語る導入の狙いとは…

 恵寿総合病院は、1997年から地元の診療所や介護施設、身体および知的障害支援施設や就業・生活支援センター、健康管理センターなどが連携して地域包括ケアに取り組む「けいじゅヘルスケアシステム」を構築してきた。その過程で、“1患者1ID”で患者情報を統合し、他施設・多制度にわたる患者サービスの一元化を実現している。

恵寿総合病院の神野氏
恵寿総合病院の神野氏
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 理事長の神野正博氏は、自助・互助・共助・公助の視点で構築が進められている地域包括ケアシステムに関して、「(これらの見直しの中で)“頼る”ことから、自分のことは自分で管理しなければならない“覚悟”の時代になる」と指摘。自身の診療情報や健康情報も自ら管理していくことが求められ、そのライフログの一翼を担うのが、今回始めたサービスであるとした。

董仙会 恵寿総合病院
董仙会 恵寿総合病院
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 石川県は、NECが提供するID-Linkによる「いしかわ診療情報共有ネットワーク」を県下で構築し、主に病診連携を中心とした施設間情報連携を実施している。一方、神野氏は生活重視として介護や日常生活を支援するために、日々のヘルスレコード、あるいはフィットネスなどの運動情報なども自己管理するPHRの必要性を指摘。「カルテコの情報を他の診療所や在宅医療の医師、信頼のおける薬局・薬剤師などに見てもらい慢性疾患の管理や健康を相談するといった使い方ができるようになる」(神野氏)とした。

 カルテコ/CADA-BOXの前身となるサービスが発表された2年前から注目していたという神野氏は、「PHRは、さまざまな企業がサービス提供を始め、実現性はともかく国もPHR構築を指向している。そうした中でMDVとの協議を経て、カルテコサービスの今後の発展性・拡張性に関して想いを同じくすることができた」と、導入に至った理由を述べた。