病診・病病連携における患者の流れを地図上で推測可能にする――。デジタルヘルスベンチャーのリーズンホワイは、そんなサービス「WhytPlot MAP」(ホワイトプロットマップ)を開発した。

連携施設の患者の流れをマッピングするWhytPlot MAP(開発中の画面)
連携施設の患者の流れをマッピングするWhytPlot MAP(開発中の画面)
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 同社は2017年3月に、地域や患者のニーズを把握するための医療ビッグデータ解析ツール「WhytPlot エリアマーケティング」の提供を開始している(関連記事)。今回のサービスは、同ツールの新たな機能として追加したものである。

 まずは2017年9月1日から約1カ月間、ベータ版を無料で利用できるパイロット期間を設け、同年10月1日から製品版の本契約を開始する。2017年8月23日に開催した製薬企業や医薬卸会社への製品説明会で、詳細について発表した。

患者の紹介・逆紹介による流れを地図上で推測

 WhytPlot MAPは、病診・病病連携における患者の紹介・逆紹介による流れを地図上で推測することにより、視覚的にエリア内のターゲティング分析、あるいはターゲティング先の医療機関の課題を明らかにすることを可能にするサービスである。狙いは、医薬品・医療機器関連企業のエリアマーケティング支援を強化することだとする。

セールスディレクターの今西氏
セールスディレクターの今西氏
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 説明会に登壇したリーズンホワイ セールスディレクターの今西是裕氏は、同社が考えるエリアマーケティングの目的について、次の3点を挙げた。すなわち、(1)得意先(病院)との関係性強化、(2)得意先の患者・処方数の増加、(3)エリア内の市場の発掘を通じて売上拡大を目指すこと、である。

 WhytPlot MAPが地図上に表示できるデータは、病院・薬局・訪問看護ステーション・介護施設の基本情報、各病院の疾患別患者数、病院・薬局の施設基準、各病院の病床機能別病床数、連携先医療機関、各病院の臨床指標、各医療機関ホームページの検索数など。これらのデータは地方厚生局や都道府県、DPC評価分科会、病院ホームページなどから収集したもの。このうちベータ版で収載しているデータは、病院の基本情報、施設基準、連携先医療機関の3種類だが、2017年11月から来年度にかけて順次追加していくという。

 これらのデータをエリアや診療科、取得している機能などで絞り込むことが可能で、その条件に基づいて地図上にマッピングすると、病院と連携先施設が線で結ばれる。また、選択した施設のそれぞれのデータは詳細画面に表示され、Excelにダウンロードすることもできる。

施設の各種データは詳細画面で表示(開発中の画面)
施設の各種データは詳細画面で表示(開発中の画面)
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 さらにWhytPlotエリアマーケティングと組み合わせて使うことによって、ターゲティング先の病院にどのような疾患の患者がどのくらい集まっているか、病院が何を課題としているか、あるいはエリアの将来の患者予測や医療ニーズに対する充足状況などのチャート表示が簡単にできるとする。