大分県竹田市の大久保病院は、古くから診療支援ツールとして利用してきたFileMakerを、同病院の3世代目の電子カルテシステムであるソフトウェア・サービス(以下、SSI)の「新版e-カルテ」とのデータ連携を強化し、日々の診療業務に活用している。FileMakerで開発した診療支援システムをベンダー製の電子カルテシステムと連携している事例は少なくないが、大久保病院はSSIの電子カルテシステムとの密接なデータ連携を実現したケースとして注目される。

 大分県南西部、熊本県との県境に位置する竹田市。人口は、最近5年間で毎年約400人ずつ減少し、2万2000人(2015年度国勢調査)まで落ち込んだ過疎地域だ。高齢化率は県内トップの約45%と、著しい少子高齢化が進行している。

 その竹田市北部(久住・直入地区)の医療・福祉を担っているのが、社会医療法人社団大久保病院(一般病床90床・療養型病床46床)だ。ケアミックス型病院でありながら2016年4月から竹田医師会病院と連携して、約9年ぶりに2次救急医療体制を復活させ、現在、救命救急センターの増改築を進めている。地域リハビリテーション広域支援センターの指定施設でもあり、地域の要請に応じて急性期から回復期・慢性期、在宅医療まで担う。また、半径5キロ圏内に介護老人保健施設、通所リハビリテーション施設、訪問看護ステーション、グループホームなど、介護事業所も数多く運営している。