「医療機関や自治体から『まさにこれが欲しかった』という声を多数受け取った。日本との相性の良さを実感している」――。

CareKitの基本モジュールの画面例
CareKitの基本モジュールの画面例
[画像のクリックで拡大表示]

 米Apple社が2016年4月に提供を始めた、「CareKit」と名付けた開発キット(オープンソースフレームワーク)。同社は日本でこんな反響を受け取っている(関連記事)。

 CareKitは、スマートフォンなどを利用した症状モニタリングや服薬管理を通じ、患者自らが疾病のケアに自主的に関われるようにするもの。Apple社の「ResearchKit」がデータ活用型の臨床研究に向けた開発キットであるのに対し、CareKitはその名の通り患者のケアに焦点を当てたフレームワークだ。

 CareKitと日本の相性の良さ。それは“病院から地域・在宅へ”という日本における医療のリソースシフトにぴったりと寄り添う特徴を、CareKitが備えていることに由来する。患者が自らの症状や服薬状況を日々記録し把握するとともに、それらの情報を医療従事者や家族とも共有する。スマートフォンなど、身近なデバイスでこれを可能にするのがCareKitであり、まさに“地域包括ケアのハブ”となる特徴を備えているのだ。