データ分析が今後の課題

 JIPADへの参加は、特定集中治療室管理料、小児特定集中治療室管理料、救命救急入院料を算定している医療機関を対象としている。2017年8月現在、約180施設が参加登録している。実際にデータを登録している医療機関も50施設を超え、これまでに約3万5000症例が登録された。「特定集中治療室管理料を算定する約600施設の参加を目指しているが、当面は日本集中治療医学会の認定集中治療専門医研修施設である295施設の参加登録を目標に据えている」という。

 また、JIPADの目的として集中治療の客観的評価や参加施設の治療成績向上などを掲げているが、課題は集積した症例データの分析と活用だという。「救急医療に携わる医師も参加しており、日本救急医学会のデータベースやDPCデータなどとのひも付けなどにより、さまざまな知見が得られることを期待している。JIPADは産声を上げたばかりであり、どう発展するか見ていただきたい」と橋本氏は述べた。

■施設概要

名称:京都府立医科大学附属病院
所在地:京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465
集中治療部:6名の専任医師と数名の専攻医および44名の看護師で構成され、附属病院内にあるICU(6床)およびPICU(6床)を管理。両ICUで年間700人近い患者を治療。
Webサイト:http://www.h.kpu-m.ac.jp/doc/

日本集中治療医学会
JIPAD Webサイト:http://www.jsicm.org/jipad/

主要導入システム:ファイルメーカー「FileMaker Pro、FileMaker Server」