――8Kでは、立体(3次元)映像であるかのような臨場感が得られると言われますね。

 8K映像が自然な立体視につながることを、強く実感しました。ダビンチは触覚がないという弱点を補うために立体視を採用していますが、8K映像はその立体視に匹敵するか、それ以上だと感じました。ダビンチでは術者の手元の感覚とロボットアームの動きに微妙に差を感じることがあるのですが、8K映像ではロボットアームの細部を観察できるため、そうしたずれも減るかもしれません。

8Kカメラによる映像
8Kカメラによる映像
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 視野角も120度と、従来の2K内視鏡(30度)に比べて広い。ですから、出血などの見落としも減らせます。(手術器具を限られた空間の奥深くに差し込むことにリスクを伴う)狭い骨盤内の操作では、解像度を落とさずデジタルズームできる特徴も非常に役立ちました。

 さらには、滅菌が必要な制限区域から遠くのモニターでも鮮明な8K映像を参照できる。このメリットも大きいです。