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分身ロボットで「どこでもドア」の世界を

難病患者の“社会への扉”を開く

2016/07/27 04:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 遠隔操作できる「分身ロボット」を使うことで、ベッドに寝たきりの難病患者が社会復帰し、会社に勤める――。遠い未来の話ではない。これを現実のものとしたベンチャー企業が、気鋭のロボット開発者、吉藤健太朗氏が代表取締役所長を務めるオリィ研究所だ。

OriHimeとともに登壇した吉藤氏
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 吉藤氏は「第18回日本在宅医学会大会 第21回日本在宅ケア学会学術集会 合同大会」(2016年7月16~17日、東京都)のシンポジウム「在宅医療とテクノロジー」に登壇。同氏らが開発したコミュニケーションロボット「OriHime(オリヒメ)」の、難病患者支援への活用事例を紹介した。

 OriHimeは、インターネット回線経由で遠隔操作できる小型ロボット(関連記事)。カメラやマイク、スピーカーを内蔵し、操作者はOriHimeが置かれた場所の風景や音を見聞きできる。OriHimeの周囲にいる人との会話も可能だ。このように「身体的問題や距離を克服し、家族や友人と一緒にいることによる心やすらぐ時間を提供する」(吉藤氏)。まさに、自分の分身のようにふるまうロボットである。

 OriHimeは今、難病患者に社会活動や就労の機会を与えるツールへと育ちつつある。例えば吉藤氏はこの日の講演に、盛岡市在住の20歳代の青年が遠隔操作するOriHimeを連れてきた。この青年は幼少時の交通事故で頸髄を損傷し、それ以来ベッドに寝たきりの生活という。吉藤氏と出会ったことで、OriHimeをあごで遠隔操作するユーザーになるとともに、オリィ研究所のメンバーともなった。最近ではOriHimeを使って講演をしたり、特別支援学校の講師に招かりたりもしている。

 このように、体が不自由でもOriHimeを使うことで「講演やカウンセリングなどの仕事をこなす人が増えてきた」(吉藤氏)。通訳や見守りといった仕事にも活用できる可能性があるという。

日経デジタルヘルス Special

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