次世代画像モダリティとして実装目指す

 そもそも光超音波は光と超音波を使ったイメージング技術で、新たなイメージング技術として注目を集めている。原理はこうだ。まず、特定の波長のパルス光を生体に照射する。すると、その波長に対して吸収係数の高い物質にのみパルス光のエネルギーが選択的に吸収される。吸収されたエネルギーは瞬間的な断熱膨張を引き起こし、光音響波を発生する。光音響波は生体内を音として伝搬するため、皮膚の上に置いた超音波センサーで検出することができる。例えば、血管などの光吸収特性を持つ物質を画像化することができる。

光超音波イメージングの原理
光超音波イメージングの原理
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 同社は2015年、この光超音波の技術を使って皮膚表面から深さ3mmまでの血管網を画像化できる光超音波顕微鏡「Hadatomo」を発売している。皮膚表面から3mmの深さまでのヘモグロビンの分布を観ることができる。皮膚科や再生医療、美容医療の分野で、熱傷や移植皮膚、血行の経時変化のモニタリングに使われているという。

 今後は、今回開発した技術を実装した次世代Hadatomoの開発に乗り出す考えだ。「メラニンの分布や血行の経時変化をより正確に得られる可能性があるため、化粧品の効能効果を検証することなどに使えるのではないか」(同社ブース説明員)と見込む。