病院情報システムの利用者情報・患者基本情報と連携するポータル

 八事日赤で診療支援にFileMakerが使われ始めた正確な時期は定かではない。「1990年代中頃にはすでに利用していた」(腎臓内科副部長 大塚康洋氏)とのことで、当初は、一部の診療科で草の根的に活用されていたという。複数の診療科が使うようになったのは、日本ユーザーメード医療IT研究会(J-SUMMITS)代表の吉田茂氏が開発したシステムを移植したのがきっかけだった。「当時の外科部長が吉田先生から譲り受けたシステムを移植して使うようになり、その便利さを知って各診療科に徐々に利用が拡大していきました」(循環器内科 医師/医療情報管理センター情報システム室 前田眞勇輔氏)と振り返る。

腎臓内科副部長の大塚康洋氏
腎臓内科副部長の大塚康洋氏
循環器内科・医療情報管理センターの前田眞勇輔氏
循環器内科・医療情報管理センターの前田眞勇輔氏

 その頃は、診療科や個人のパソコンにインストールしているFileMaker上で稼働しており、ファイルの作成・管理はすべて個人に任されていた。しかし、「患者さんの診療情報が各診療科の管理に委ねられているのはセキュリティー上、問題がある」(大塚氏)として、2010年に電子カルテ(富士通、HOPE EGMAIN-GX)を導入した際のシステム更改時に、情報システム室へFileMaker Serverを導入し、中央管理サーバーでデータを管理するようにした。

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