「健幸ポイント」というインセンティブは、健康づくりにどう寄与するのか――。そんなテーマを掲げた大規模実証がこのほど終了した。2014年12月から2017年3月まで筑波大学とみずほ情報総研、つくばウエルネスリサーチ、凸版印刷が実施した「複数自治体連携型大規模ポイントプロジェクト」である。同年5月11日に開催された成果報告会では、この3年間の実証結果が発表された。

 今回の実証は、Smart Wellness City(スマートウエルネスシティ)総合特区に参加する6市(福島県伊達市、栃木県大田原市、千葉県浦安市、新潟県見附市、大阪府高石市、岡山県岡山市)をフィールドとして実施。各市で提供される健康づくりなどのプログラムへの参加や、健康状態の改善などの成果に対して、1ポイント1円に換算できる健幸ポイントを最大で年間2万4000ポイント分付与するインセンティブを設定した。この健幸ポイントは、商品券やPontaポイント、寄付に交換できる仕組みである。

筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授の久野譜也氏
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授の久野譜也氏
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 インセンティブのターゲットは、健康づくりに関して健康情報を積極的にとらない、いわゆる“無関心層”。「無関心層を引っ張りだし、続けさせることが狙いだった」と、実証の指揮をとった筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授の久野譜也氏は話す。果たして、実証の結果は――。