「F-1マシンのような診断装置を作ってみよう」——。そう銘打って開発した渾身の新製品を、キヤノンへの売却が決まった東芝メディカルシステムズが2016年5月11日に発表した。ハードウエアからソフトウエア、信号処理、プローブまでのすべてを刷新した超音波画像診断装置「Aplio iシリーズ」がそれだ。同年5月27日から国内での販売を開始する。

今回発表された超音波画像診断装置、Aplio i 900
今回発表された超音波画像診断装置、Aplio i 900
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 同シリーズは同社の超音波画像診断装置「Aplioシリーズ」の最新シリーズで、従来の製品から技術プラットフォームを一新。浅部から深部まで細く均一な超音波ビームを高密度で送受信することで、均一かつ高精細な画像を取得できるようにした。

 「従来の超音波診断装置では、分解能とトレードオフにあるペネトレーション(深さ方向の到達度)をすべての面で満足させることは難しかった。しかし本製品は良好な分解能を保ったまま深くまで見ることができる。まさに超音波の理想である“深いところまで細かく見える”を実現させた機器だ」。5月11日の製品発表会でビデオコメントを寄せた川崎医科大学 検査診断学 内視鏡超音波部門 教授の畠二郎氏は、今回の製品の使用経験についてそう語った。