デジタルヘルスベンチャーのリーズンホワイは、適切な治療を求める患者とその治療の専門医をマッチングし、受診・治療方法の提案を受けることができる患者向けサービス「FindMe」(ファインドミー)を2017年秋に提供開始する。同社は同年4月20日に第三者割当増資により総額4億円の資金調達を実施。これによりFindMeの開発加速するほか、医師限定のコミュニケーションツール「Whytlink」や医療ビッグデータ解析ツール「WhytPlot」など既存サービスの機能を拡充する(関連記事)

2017年4月21日に開催された戦略発表会見で、出資企業の関係者らと握手するリーズンホワイの塩飽氏(中央)
2017年4月21日に開催された戦略発表会見で、出資企業の関係者らと握手するリーズンホワイの塩飽氏(中央)
[画像のクリックで拡大表示]

 FindMeは、治療を開始したが状況が好転しない患者が、ネット上で治療における悩みや要望を相談すると、総合診療医や複数の専門医からファーストオピニオンの提供や、手術の執刀医や望みの治療を行う主治医を探し当てて紹介するサービス。肺・胃・直腸などのがん、脳腫瘍、心臓弁膜症といった約60の治りにくい疾患(79歳までに発生する件数が多く、退院時の治癒・軽快・寛解率が89%未満の疾患)を重点対象としていく。

 具体的には、患者の病状変化の悩みや治療への要望をサービス担当者が受けると、まず患者にセカンドオピニオンを得るための診療情報提供書IIの取得を依頼する。その診療情報提供書に基づき、総合診療医がコーディネート医師としてアプローチし、各専門医につないで実際の診療を行う仕組み。

FindMeのサービスイメージ(運用フロー)
FindMeのサービスイメージ(運用フロー)
[画像のクリックで拡大表示]

 リーズンホワイ代表取締役社長の塩飽哲生氏は、「我々の独自調査によると、専門医とのミスマッチが生じている患者は年間135万人いるとみている。こうした患者の6%が1日でも長く生きられれば、我々が目標とする全人類の寿命を1秒伸ばすことが達成できる」と事業への意気込みを語った。

 また、塩飽氏は「コーディネート医師の診断が肝になる。その診断力、クオリティーを担保する必要がある」とし、米国内科学会(ACP)の日本事務局と連携してMKSAP(Medical Knowledge Self-Assessment Program)という評価システムを用いて医師のクオリティーを担保していくと説明。コーディネート医師の第1号として、総合医療のスペシャリスト、徳田安春氏(独立行政法人地域医療機能推進機構本部)が就任することを明らかにした。