「ソニーらしさ」は家電と生保から

 “ソニーらしさ”に関しては、「他社がやっているからやるわけではない。ゼロベースでいろんなことを発想して、ソニーグループのオリジナリティーを出していく」(出井氏)との姿勢が根幹にある。居室内は居住者の状況に応じて可変性を意識した設計となっており、その点には「ハードメーカーの流れをひいている。やはりハードウエアにはしっかりとこだわっていきたい」(出井氏)とアピールする。

 また館内にはコミュニケーションロボットとして修理済みのAibo(アイボ)が常駐し、大浴場では4K対応の大画面テレビ「ブラビア」で季節の映像などを楽しむことができる。そこかしこにソニーらしさが見え隠れする。

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4Kの大画面テレビ「ブラビア」を鑑賞しながら入浴できる大浴場
4Kの大画面テレビ「ブラビア」を鑑賞しながら入浴できる大浴場
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 一方、家電のソニーではなく、ソニー生命から受け継いだソニーらしさとして特徴的なのがライフマネージャーの存在だ。ケアマネジャーとは別に入居者の“自分らしい生活”を支えるサポーターであり、先述した睡眠ケアをはじめとする生活提案などを行う。

 入居者の歩んできた歴史をヒアリングし、小綺麗な1枚のシートにまとめた「ライフパネル」は、まさにその象徴である。有料のオプションサービスではあるが、「ケアワーカーが入れ替わっても、ライフパネルがあればどんな人生を歩んできたかがひと目でわかる」(出井氏)ことから、今後は一定化したサービスメニューとして組み込むことも考えている。

ソナーレならではの「ライフパネル」。個人史をきれいにまとめた
ソナーレならではの「ライフパネル」。個人史をきれいにまとめた
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