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生殖補助医療の業務支援、FileMakerとiPhoneでここまでできる! (page 4)

診療支援、胚凍結と検体認証を一元化

2017/03/28 10:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

顕微画像撮影からスマートロックまで

 オガタファミリークリニックでは、手術室や培養室での認証作業だけでなく、培養胚の撮影・画像管理など、様々な用途にFileMaker GoとiPhone/iPod touchを活用している。受精操作を行った後、翌日(1日目)・3・5・6日目といったタイミングで培養中の受精卵を観察する必要があり、その際の顕微画像の撮影にiPhoneのカメラを利用する。iPhoneと顕微鏡をつなぐ光学アダプターと専用アプリを導入、シャッターボタンを押すことなく顕微鏡を覗きながらiPhone画面に掌をかざすだけで撮影できるので、手ぶれのない精細な画像を記録可能だ。

受精卵観察などの際の顕微画像の撮影は、顕微鏡にセットしたiPhoneで撮影。掌をかざすだけでシャッターが動作する。
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 胚培養士は、培養器から取り出した培養用ディッシュをiPhoneで認証し、同じiPhoneを顕微鏡にセットして胚画像を撮影、得られた画像を診療支援システムにアップロードする。同時に胚盤胞の評価データ(グレード)も診療支援システムに入力していく。「iPhoneを導入しようと考えた動機は、高性能のカメラ機能をバーコードリーダーだけでなく、こうした培養胚の画像撮影などにも使えるだろうと考えたからです」(緒方院長)とし、顕微鏡に取り付けるソリューションがないか調べてすぐに導入を決定したと話す。

 顕微鏡にセットしたiPhoneのカメラは、ビデオ撮影にも活用している。オガタファミリークリニックでは、受精作業をIVF用ワークステーション(二酸化炭素濃度が管理された準密閉の作業機器)内で行う際、顕微鏡を覗きながら行う胚培養士の手技をiPhoneのカメラでビデオ撮影し、アップル社のセットトップボックスであるApple TVを通してディスプレイに映像を流して、他の胚培養士が視聴できるようにした。手技を遠隔地の学会などに中継するライブデモンストレーションのようなもので、「経験豊富な胚培養士の手技を映像で参考にしながら勉強するために活用しようと考えました」。緒方院長は狙いをこう説明する。「顕微鏡用のビデオ撮影・表示機器は1セット100万円近くと高価なのに、画質は満足のいくものではありませんでした。Apple TVを使うとiPhoneを含めても10万円程度で高画質なビデオ撮影・表示ができます」という。

経験豊富な胚培養士の受精手技をiPhoneのカメラでビデオ撮影、Apple TV(IVF用ワークステーションの右上に置かれた黒い箱)を通してディスプレイに表示する。
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 さらに、iPhone(またはICカード)をドアのカギとして使うスマートロックも導入した。生殖補助医療を実施する施設の設備に関するガイドラインでは、培養室と凍結保存室は施錠を必須としている。オガタファミリークリニックの凍結保存室は培養室から出入りする構造なので、培養室を施錠し、厳格な入退室管理を行っている。その電子ロックのカギとしてiPhoneを使い、入退室管理を行っている。

培養室などの管理区域にはスマートロックを導入、iPhoneを解錠用のカギとしても使っている。
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 「取り違え防止認証システムやスマートロック、アラートがiPhoneにメールされる24時間培養器監視システムなど、様々な仕組みの導入は、安心して治療を受けていただくためのこだわりです」という緒方院長。その実現の一端を担っているのが、FileMakerを基盤とするシステムと様々な業務で多用途に使われるiPhoneなどのスマートデバイスだ。

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クリニック概要

名称:オガタファミリークリニック
所在地:兵庫県芦屋市松ノ内町2-3 エウルビル2F・3F
開院:2017年2月
Webサイト:http://www.ogatafamilyclinic.com/
主要導入システム:ファイルメーカー社「FileMaker Pro、FileMaker Server、FileMaker Go」、アップル社「iPhone、iPod touch、iPad、Apple TV」他

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