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診療支援、胚凍結と検体認証を一元化

2017/03/28 10:00
増田 克善=日経デジタルヘルス

所定の順序で認証しないと作業が進められない仕組みに

顕微授精(ICSI)の認証手順では、培養室FM画面で患者バーコードを読み取り、上から順にそれぞれの受精卵を入れたディッシュを認証する。認証の手順が違うとエラー表示され、先の手順に進めない。
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 iSAMの最大の特徴は、培養室の業務手順と認証プロセスをシステムで統合的に管理する方式を採用したことだ。受精卵を凍結する作業では、まず患者認証用のバーコードを読み取り、次に培養器から取り出した培養用ディッシュ(シャーレ)を認証する。さらに凍結準備用ディッシュを認証して凍結前処理を行い、認証したクライオトップに収納する。この、患者認証→培養用ディッシュ認証→凍結準備用ディッシュ認証→クライオトップ認証――という手順を正しい順序で行わないと認証エラーになり、作業を進められない。

 「胚培養士は手順を熟知していますが、認証の順序をiSAMがチェックすることで、より確実な作業工程を経るように工夫しました」(緒方副院長)と話す。認証作業がルーチン化すると、機械的にバーコードを読み取るだけになり、作業ミスを招く危険性がある。iSAMにはそうしたリスクを軽減するための仕組みが組み込まれているのだ。

 現在、認証メニューには、採卵(OPU)、人工授精、体外受精(IVF)、皮むき(顆粒膜細胞に包まれた卵子を裸化する)作業など、20種類の業務手順を網羅している。

業務手順を組み込んだ認証用の各種メニュー
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 また、iSAMには患者認証における工夫もある。手術室での採卵の際には患者のリストバンドで本人認証できるが、培養室の業務では直接本人を確認できるものがない。検体認証をシステム化している施設の多くでは、患者情報とバーコードをプリントした用紙が検体とともに培養室での作業中に回覧され、その用紙のバーコード読み取りをもって本人確認としている。iSAMでは手術室や培養室のiSAM端末(オペ室FM、培養室FMと呼ぶ)に、患者ファイルを基にした患者バーコードを表示でき、それを読み取ることで患者認証としている。検体とともに回される用紙をなくし、患者名の目視確認に頼らず、すべてバーコードで認証できる仕組みにすることで認証精度を高めている。

培養室内などでは、患者を認証するために患者リストから表示した画面上のバーコードを読み取る。
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 iSAM上では、誰が、いつ、どのような認証を行ったかという履歴が記録されている。「履歴をたどることで、どの作業でどのような手違いが起きたのかを検証できます。培養士の手順が悪かったために起きたエラーなのか、あるいは作業システムの根本的な欠陥によるものなのかが見えてきますので、後者であれば作業手順の見直しを図ります。また、胚培養士の作業の改善を図るためのデータとしても活用できます」(緒方副院長)という。

日経デジタルヘルス Special

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