自己採血キットによる血液検査と、スマートフォンやパソコンで検査結果を確認できるWebサービスを組み合わせた、KDDIの「スマホ de ドック」(関連記事1)。自宅にいながら手軽に健康をチェックできるこのサービスを同社が発表してから、1年。この間、同社が精力的に取り組んできたのが自治体・健康保険組合(健保)向けの実証事業だ(同2)。2016年3月、その最終報告をとりまとめた。

KDDI 新規ビジネス推進本部 戦略推進部 担当部長の岩崎昭夫氏
KDDI 新規ビジネス推進本部 戦略推進部 担当部長の岩崎昭夫氏
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 スマホ de ドックの検査は、申し込み後に自宅に郵送される自己採血キットで、指先から微量(0.065ml)の血液を採取して返送するだけ。中性脂肪やHbA1c、尿酸など14項目に関する検査結果を、約1週間後にスマートフォンなどで確認できる。この手軽さを、日常生活における健康状態の把握や病気の重症化予防につなげようというサービスだ。

 通信事業者が手掛けるセルフ健康チェック。そんな試みに「当初は懐疑的な見方が多かったが、この1年で風向きが180度変わった。実証事業の成果を携えて医師会や厚生労働省などを回っているが、軒並み反応がいい」。この1年、スマホ de ドックの立ち上げに奔走してきた岩崎昭夫氏(KDDI 新規ビジネス推進本部 戦略推進部 担当部長)はこう手応えを語る。

 医師会や厚労省を振り向かせることに成功した、実証事業の成果とは。この成果を生かし、スマホ de ドックをどのような事業に育てていくのか。岩崎氏に聞いた。