2型糖尿病患者の自己管理や治療脱落防止にスマートフォンアプリを活用する――。2000人の患者を対象にした大規模研究の口火が間もなく切られる。国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター長で分子糖尿病医学研究部長の植木浩二郎氏らが進める「IoT活用による糖尿病重症化予防法の開発を目指した研究(PRISM-J)」だ。

2018年1月16日に開催した説明会に登壇した国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター長で分子糖尿病医学研究部長の植木浩二郎氏
2018年1月16日に開催した説明会に登壇した国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター長で分子糖尿病医学研究部長の植木浩二郎氏
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 糖尿病患者は適切な血糖コントロールを行うために、体重管理や身体活動量の維持が必要である。医師や保健指導者は、診療や保健指導を通して、自己管理のノウハウ提供や行動変容への動機づけを患者に行っているが、家庭での実践は患者任せになっていた。

「七福神アプリ」画面イメージ
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 こうした課題を受けて、PRISM-J研究チームは、2型糖尿病患者の健康管理のための「七福神アプリ」を開発した。その効果を検証する臨床研究を2018年1月22日に始めた。

 具体的には、スマートフォンアプリを日常的に使用している2型糖尿病患者2000人を研究対象にし、そのうち1000人の患者に七福神アプリを使用してもらう。研究は1年間行い、HbA1cの変化を比較する。

「七福神アプリ」を活用した臨床研究の概要
「七福神アプリ」を活用した臨床研究の概要
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