厚生労働省の中央社会保険医療協議会・診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」は2017年9月6日、(1)重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)の測定負担の軽減、(2)データ提出加算の対象拡大、(3)療養病棟におけるリハビリテーション─―などについて議論した。また、9月27日には同分科会の「中間とりまとめ」を中医協診療報酬基本問題小委員会に報告した。

 (1)看護必要度の測定負担については、7対1病棟では入院患者の看護必要度を毎日測定しなくてはならず、現場の労力が大きいとの声が多い。そこで厚労省は、DPC/PDPS(診断群分類別包括評価支払い制度)対象病院やデータ提出加算を算定する病院が提出するEF統合ファイルと、看護必要度のA項目(専門的な治療・処置などに関する項目)、C項目(手術などに関する項目)を突合して、A項目やC項目の一部をDPCデータで代替できるか検証するシミュレーションを実施してはどうかと提案した。これに対して委員からは賛否両論あったが、シミュレーションを実施し、その結果をどう生かすか改めて議論することになった。

 (2)データ提出加算に関しては、回復期リハビリテーション病棟や療養病棟への要件拡大がテーマとなった。委員の池端幸彦氏(医療法人池慶会理事長)は、「医療の見える化は必要なこと」と、データ提出の範囲拡大の方向性を支持。ただし、「療養病棟を持つ病院の多くは200床未満で、データ提出に関わる人材配置が負担になりがち。まずは200床以上の病院を対象にするのが一つの方法だ」と述べた。

 また、(3)療養病棟におけるリハビリでは、1週間当たりのリハビリ提供回数が多いほど在宅復帰率が高い傾向にあるとのデータを厚労省が提示。池端氏は、「療養病棟において入院時からリハビリを実施すると在宅復帰が早くなること、リハビリは(少量を)頻回に提供する方がよいことは、感覚として納得できるデータ」と感想を述べた。同じく委員の本多伸行氏(健康保険組合連合会理事)は、「療養病棟でのリハビリの提供頻度やリハビリスタッフの配置、在宅復帰率(の相関関係)を見ていくべきではないか」と指摘した。