2017年6月7日、改正医療法が参議院本会議で可決され成立した。医療機関のウェブサイトなどにおける虚偽・誇大表示の規制のほか、「持ち分あり」から「持ち分なし」医療法人への移行促進策の延長などが盛り込まれている。

 医療機関の広告について現行の医療法では、名称や診療科名、診療時間などの表示以外は禁止しているが、ウェブサイトは対象外。ただ、美容医療などを中心にトラブルが顕在化しているため、今回の改正医療法ではウェブサイトの虚偽・誇大表示も規制対象とした。違反した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。

 一方、「持ち分あり」から「持ち分なし」医療法人への移行を促すため、2017年9月末で期限が切れる相続税猶予などの税制優遇措置を3年間延長する。「持ち分あり」からの移行計画の認定を受けた医療法人の場合、移行期間の満了まで相続税の納税を猶予するほか、持ち分を放棄した際は相続税額を免除する。

 法人への出資者が持ち分を放棄し、ほかの出資者の持ち分が増加する際に生じる贈与税についても、同様の優遇措置を適用する。このほか、大学病院で患者が死亡する医療事故が相次いだことを受け、特定機能病院の承認要件に高度な医療安全の確保を追加した。