介護サービス大手各社が2017年3月期決算を発表した。前期比で増収増益を達成した企業が多く、制度改正への対応を進めて利益率を改善したところも目立った(表1)。

表1◎主な介護サービス大手の2017年3月期決算(百万円未満切り捨て)
表1◎主な介護サービス大手の2017年3月期決算(百万円未満切り捨て)
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 最大手のニチイ学館は、介護・ヘルスケア事業の合計売上高が1474億5100万円(前年同期比0.6%増)、営業利益が116億9100万円(同58.5%増)。そのうち在宅系サービスは介護予防訪問介護、介護予防通所介護の総合事業への移行の影響などで利用者数が減り、23.5億円の減収になったものの、中重度者の確保や勤務シフトの適正化などで21億円の増益になった。施設系サービスは稼働率上昇により32.5億円の増収、17.5億円の増益を果たした。

 SOMPOホールディングスは、2015~2016年に相次いで買収したSOMPOケアネクストとSOMPOケアメッセージの合計売上高が1108億8500万円と業界2位の規模に拡大した。営業損益はSOMPOケアメッセージが3億9700万円の赤字、SOMPOケアネクストが18億6300万円の黒字だった。綜合警備保障(ALSOK)は、2016年にウイズネットを買収したことで介護事業の売上高が前期比228.5%増の249億2100万円になった。一方、ウイズネットの経営改善が途上にある影響で、3億5400万円の営業赤字を計上した。