厚生労働省は2017年4月19日、2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けて、中央社会保険医療協議会委員と社会保障審議会介護給付費分科会委員による「医療と介護の連携に関する意見交換会」の第2回会合を開催した。テーマは(1)リハビリテーション、(2)関係者・関係機関の調整・連携──の二つ。意見交換会は同日の会合で基本的に終了し、今後は挙がった課題を中医協や介護給付費分科会で話し合うことになる。

 「(1)リハビリテーション」では、外来の維持期・生活期リハビリの介護保険への円滑な移行、急性期や回復期における目標設定支援の視点に基づくリハビリをより推進することなどが検討の視点になった。特に、外来の維持期リハビリは、2017年度末までに原則として介護保険に移行する方針となっている。これに対して介護給付費分科会委員の鈴木邦彦氏(日本医師会常任理事)は、「介護保険に移行できる人はよいが、医療保険に残るべき人はどのような人なのか明らかにすべき」と述べた。

 一方、中医協の支払い側委員である幸野庄司氏(健康保険組合連合会理事)は、「維持期リハビリの介護保険への移行は10年近く延期されてきた経緯がある。次期改定は同時改定であり、移行する絶好の機会。ハコ(診療報酬)を外す判断も必要ではないか」と問題提起した。また、円滑な移行のためには事務手続きの簡素化が必要であるとの声も上がった。そのほかリハビリに関しては、急性期や回復期から患者の生活復帰を見据えたリハビリの目標設定も必要ではないかという意見があった。

 「(2)関係者・関係機関の調整・連携」では、特に末期の悪性腫瘍患者では状態が急速に変化することがあるが、課題として「医療職とケアマネジャーの連携・情報共有が不足していることがある」「医療職とケアマネジャーとの情報共有の機会を確保することが困難な場合がある」などが示された。これに対して委員からは、「テレビ会議などICTを使った効率的な情報共有も必要ではないか」「療養の場には看護師がいることが多い。看護師を活用して情報共有してもよいのではないか」などの考えが示された。