「再エネ電力で作る水素のメジャー」を目指す

――他の再エネ発電については、いかがでしょう。

藤崎電機の藤崎耕治社長
藤崎電機の藤崎耕治社長
(撮影:日経BP)

 藤崎電機に入社した当初、風力発電が大きく伸びると見込んでいました。実際には、予想ほど伸びず、停滞している状況です。

 当時から風力発電に取り組みたいと考えていたのですが、市販されている風車のほとんどは欧州メーカー製で、価格の高さが課題でした。

 そこで、中国を含むさまざまなメーカーと、品質や性能と価格のバランスが取れている風車の開発・製造・販売を模索してきました。ガイアパワー設立後も、その試みを続けています。

 風力発電所の開発では、愛媛県宇和島市・南宇和郡愛南町において、出力25MWの開発計画を進めています。この風力発電所は、2019年ころの着工を目指しています。

 風力発電では、このほか合計で出力約200MWの案件の候補地を選定済みで、事業化を検討しています。

 日本の風力発電は今後、陸上から洋上へと広がると予想しています。洋上で大規模な風力発電所が実用化できる頃には、水素関連技術が進展し、発電電力の多くを水素製造に使うことになるかもしれません。

 将来の構想として、再エネの電力で水素を作り販売する事業のメジャーになるという目標があります。その電源の1つとして、風力発電が有望と考えています。

 今後の技術動向次第ですが、火力発電の燃料に水素を使えば、クリーンで、かつ化石燃料を使わない電源に生まれ変わります。発電効率も高くなるはずです。

 また、将来の自動車として蓄電池を使った電気自動車(EV)が有望ですが、燃料電池を使った水素自動車の技術開発が進み、広く普及していくことも考えられます。

 再エネ由来水素の製造は、こうした時代の到来に寄与できると考えています。