「32円」までで200MW、「27円」で200MW目指す

――日本での、今後の目標を教えてください。

グッドマン氏 契約済みのほか、電力会社と連系協議中を含めた進行中の案件が、現在、合計出力で約200MW分あります。これらは、買取価格が32円/kWh(税抜き)までの案件です。今後2年間で、これらの案件の売電を開始するのが目標です。さらに、2015年度下期の設備認定分である買取価格が27円/kWhの案件でも、合計出力約200MW分を契約し、今後、2年間で設置することを目指しています。

――経済産業省は、2030年の目指すべき電源構成(べストミックス)を公表し、太陽光は認定量を下回る64GWとされ、抑制的な対策に転じるとのイメージも与えました。こうした日本政府のエネルギー政策をどのように見ますか。

グッドマン氏 太陽光の推進という点から、明らかな間違いだと思います。認定容量が80GWを超えているにもかかわらず、ベストミックスで64GWしか見込まなかったことは、日本の太陽光市場を冷やすことになりました。そもそも接続保留問題で、無制限無補償の出力抑制を条件とした案件が出てきたことで、こうしたプロジェクトへのファイナンスは難しくなっていました。

――国内では、地産地消型の再生可能エネルギーについては、今後も政策的に普及を支援していくべきだとの声も強まっています。

グッドマン氏 その考え方は正しいと思います。需要地から離れた野立てのメガソーラーや風力と、需要地に近接した分散型の再エネを同じ仕組みで支援するべきではありません。カナダのオンタリオ州では、FIT導入当初、日本のように一律の制度でしたが、試行錯誤を経て、ルーフトップの太陽光を含む小規模分散型に対してはFIT、大規模な野立てのメガソーラーについては入札方式という2本立てになりました。

 ルーフトップをFITの対象にしたのは、需要地に近い太陽光は、電力系統に負担が少ないなど意義が大きいとの認識が背景にあります。その上で、スケールメリット効果の大きい野立てのメガソーラーに比べ、ルーフトップなどの小規模分散型の太陽光は、手間もかかりコスト面で不利なことにも配慮しています。