日本コムシスは、NTTグループ向けの通信インフラの整備を担ってきた。太陽光発電システムの施工も早くから手掛け、2003年頃から取り組んできた。発電事業については、子会社のコムシスクリエイトが担っている。社会基盤事業本部 環境・エネルギー部の筒井浩部長、同事業本部 電気通信システム部 第2営業部の池上一郎部長に太陽光発電所のEPC(設計・調達・施工)サービスの現状や、今後の展望などを聞いた。

日本コムシス 社会基盤事業本部 環境・エネルギー部の筒井部長、同事業本部 電気通信システム部 第2営業部の池上部長
日本コムシス 社会基盤事業本部 環境・エネルギー部の筒井部長、同事業本部 電気通信システム部 第2営業部の池上部長
(出所:日経BP)

――EPCサービスの実績を教えてください。

 引き渡し済みの案件は、累積で出力約154MWです。このうち約25MWが、子会社のコムシスクリエイトによる発電事業分となっています。コムシスクリエイトの発電事業(茨城県常陸太田市の案件の関連コラム群馬県昭和村の案件の関連コラム)では、この約25MWを含めて、約72MWの設備認定を取得済みです。

 単年での引き渡し済みの案件の出力ベースの実績は公開していませんが、固定価格買取制度(FIT)に基づく太陽光発電所の設備認定の推移と連動して、単年での引き渡し済みの案件の出力ベースの実績としては、2015年度がピークとなるでしょう。

 2016年度は、主に買取価格・32円/kWh(税抜き:以下同じ)の案件の仕込み(受注や受注に向けた活動)が、ほぼ終わった年となりそうです。27円/kWhの案件は、連系の制約が多くなったことを反映して、受注も少ない状況です。

 現在は、施工している発電所も、32円/kWhの案件が多くなっています。36円/kWhの案件も残っていますが、そうした案件は、特別高圧送電線に連系する大規模な発電所が多い傾向にあります。

 受注している発電所の出力規模としては、高圧配電線に連系できる上限となる、出力1.9MW級がまだ多い状況です。