市販の主要なパネル22種類が並ぶ

――どのような太陽光パネルを設置しているのでしょうか。

 2010年9月に設置を始めた当初、5種類の太陽光パネルを設置しました。結晶シリコン型では、p型の単結晶、p型の多結晶、薄膜シリコン型ではアモルファス(非晶質)、ヘテロ接合、化合物半導体型ではCIGSです。

 これらのパネルは、ここで発電を始めてから、ほぼ7年が経過したことになります。

 世の中の情勢に合わせて、臨機応変に新たなパネルを導入できる環境も、この試験場の利点です。

 その後、徐々に新たな太陽光パネルが増え、現在は22種類のパネルを設置しています(図2)。新たなパネルには、技術開発が進んだことで、新たに製品化されて市場に投入された製品を選んでいます。発電事業者が新たに選び始めた品種を含めて、主要な太陽光パネルのほとんどが集まっていると言えます。

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図2●太陽光パネルは当初の5種類から22種類に
図2●太陽光パネルは当初の5種類から22種類に
屋外曝露試験サイトの配置(上)と、2016年に新設した太陽光パネル(下)(出所:産総研 太陽光発電研究センター)
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 例えば、2016年度に新たに導入したのは、結晶シリコン型では、n型の単結晶が1種類、ヘテロ接合が3種類、裏面電極(IBC)が2種類、PERC(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)のp型単結晶が2種類、化合物半導体型ではCdTeが1種類です。

 現在、設置している22種類は、以下になります(図3)。結晶シリコン型では、p型の単結晶が2種類、n型の単結晶、p型の多結晶が2種類、ヘテロ接合型が3種類、裏面電極が2種類、PERCが2種類、薄膜シリコン型ではアモルファスが2種類、ヘテロ接合が3種類、化合物半導体型ではCIGSが3種類、CdTeが2種類です。このほかに、有機系の試作品も設置しています。

図3●主要な太陽光パネルのほとんどが集まる
図3●主要な太陽光パネルのほとんどが集まる
設置済みの太陽光パネル(出所:産総研 太陽光発電研究センター)
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 パワーコンディショナー(PCS)は、出力10kW機を9台、備えています。このPCSにストリング(太陽光パネルを直列・並列に接続した単位)ごとに入力し、九州センター内の系統に連系しています。10分ごとに、それぞれのストリングのI-V(電流-電圧)特性を測定しています。