素材によっては「突き抜け」も

――「織布」は、価格が安いだけで利点はないのですか。

 「織布」は、織り目がずれたり、ほつれたりしやすい短所がありますが、透水性や通気性があることや、斜め方向によく伸びるので地面に馴染みやすいなどの長所もあります(図1)。実際に地面の上に施工する場合、客土との密着性が重要になるので、織布の柔軟性や施工性の髙さが評価されることも多いです。

図1●織布タイプの素材例
図1●織布タイプの素材例
(出所:佐治健介氏=白崎コーポレーション)
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 これに対し、「高密度の不織布」は、草の突き抜けには強いものの、透水性や通気性が低く、裂けやすく、厚く柔軟性に劣るので地面との密着性が低い欠点があります(図2)。

図2●高密度の不織布タイプの素材例
図2●高密度の不織布タイプの素材例
(出所:佐治健介氏=白崎コーポレーション)
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 一方、「低密度の不織布」は、突き抜けに弱い課題がありますが、柔軟性があって裂けにくく、透水性や通気性に優れる利点があります(図3)。

図3●低密度の不織布タイプの素材例
図3●低密度の不織布タイプの素材例
(出所:佐治健介氏=白崎コーポレーション)
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 シート構造の違いによる特性を補うため、表面をコーティングして透水性をなくしたり、異なる構造の不織布を2層構造にした製品も開発されています(図4)。

図4●3タイプの防草シートの特徴
図4●3タイプの防草シートの特徴
(出所:佐治健介氏=白崎コーポレーション)
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