中国トリナ・ソーラーは、太陽光パネル事業が成熟期を迎えるとの認識に立ち、今後はパネルの信頼性や効率をさらに高める一方、発電システムとしての提案や、マイクログリッドの全体制御など、より川下分野に取り組み、事業モデルを転換していく。日本法人のトリナ・ソーラー・ジャパン(東京都港区)の陳曄(Chen Ye)社長に、日本における現状や今後の戦略などを聞いた。

トリナ・ソーラー・ジャパンの陳曄(Chen Ye)社長
トリナ・ソーラー・ジャパンの陳曄(Chen Ye)社長
(出所:日経BP)

――世界での2017年の出荷実績について、教えてください。

 約9GWで、仕向地別では約30%が中国、約15%が米国、約15%がインド、このほか日本やオーストラリア、東南アジア、中南米となっています。

 中国における太陽光発電の新設市場は、2016年の約45GWから、2017年には約53GWに拡大しています。市場の拡大を取り込み、仕向地別の中国の比率が高まっています。

 2018年の出荷目標は、2017年の約9GWから、さらに拡大する数値を掲げています。

――日本向けの実績は、どの程度ですか。

 数量は非公開ですが、全体の5%強です。出荷量は2016年に比べると、約25%増えました。産業用、住宅用の両方とも、出荷量が増えています。

――出荷量の増加に伴い、生産能力も増えているのですか。

 現在、セル(発電素子)、パネルともに自社工場の生産能力は年産で約8.5GWです。2017年時点で、出荷量が約9GWに増えましたので、生産能力を超えています。

 不足分については、OEM(相手先ブランド品製造)を活用して調達しています。この外注先における生産については、トリナ・ソーラーがしっかり管理しています。

 トリナ・ソーラーでは、資産をできるだけ少なくするライトアセット(Light Asset)の方針をとっています。その一環として、自社工場の生産能力を過剰には増やさず、パートナー企業を活用することで、需要の増加を取り込みつつも、不釣り合いな資産の保有を抑えることで、パネルの製造・販売事業をより持続的な体質にしようと考えています。