4月1日に固定価格買取制度(FIT)の改正法が施行された。「設備認定」から「事業計画認定」への衣替えなど、FITスタート以来の最も大きな変更となった。新制度に移行して1カ月時点での状況や、今後の再生可能エネルギー政策の方向性などに関し、経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー課の山崎琢矢課長に聞いた。新認定制度への移行などが話題となった前半(関連記事)に続き、後半では、保守・点検や事後的な過積載などがテーマとなった。

経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー課の山崎琢矢課長
経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー課の山崎琢矢課長
(撮影:清水盟貴)

保守・点検が「認定要件」に

――新制度への移行に伴い公表された「事業計画策定ガイドライン」には、O&M(運営・保守)体制の構築と実施が明記されました。ただ、当初、予想されていた「車検制度」のような全数を検査する仕組みは導入されませんでした。これを「O&Mの義務化」と呼んで差支えないのでしょうか。

山崎 保守・点検と維持管理の計画や体制構築などが「認定要件」になったことは、これまでのFIT制度ではO&Mに関して何もなかったことと比べると、大きな変化です。認定の際に保守・点検に関して確認しますし、仮にこれらを怠れば、「認定を取り消すこともあり得る」、ということです。「保守・点検を実施しなければ、事業を継続できない場合もある」という意味で「O&Mの義務化」と考えています。

 確かに車検制度のように、国が認定した機関などが全数検査するような仕組みではありません。ただ、国がいきなり縛るのではなく、まずは民間の主体的な取り組みの中で、保守・点検を徹底していくことを目指したものです。

 ただ、それでも、うまくいかなかった場合、将来的に「全数検査」の仕組みを導入する可能性もあります。とはいえ、今回のように「要件の1つにして認定を取り消す」というやり方は、最初の規制としては、かなり踏む込んだものと思っています。