太陽光は60GW超が新認定に移行も

――大ざっぱな試算ですが、太陽光以外の認定容量約9GWがすべて新制度に移行するとして、バイオマス発電の水増し分を10GW程度とした場合、78.83GWから差し引くと太陽光の新制度移行分は60GWを超えることになります。昨年7月以降の認定分を含めると、60数GWに達する可能性もありそうです。そうなると、2030年のベストミックス(あるべき電源構成)で想定した太陽光の構成比7%(容量換算で64GW)になります。

山崎 太陽光に関しては、昨年6月末時点での接続申込済が67.53GWに達しているので、このうちのどこまで接続契約に至るのか、ということになります。系統入札プロセス対象案件やバイオマス比率の影響など、不確定要素がかなり大きいので、太陽光がどのくらい新制度に移行するのか、について何も言えませんが、60数GWになる可能性もあります。

 ただ、仮に太陽光の新制度への移行が60数GWに達したとしても、それがそのまま着工して稼働するとは限りません。工事費負担金を払って接続契約を結んだといっても、その払い方はまちまちです。大規模案件になると、分割払いや手付金として支払った段階で契約を締結している場合も多いと思います。

 そもそも着工が遅れている案件は、地元調整に課題があったり、地形の問題から造成費用が膨らんだりして、事業の推進や事業性の推定が難しいケースもあるとみています。手付金を支払ったものの、事業性を詰めていく段階で最終的に建設を断念するプロジェクトも出てくると見ています。その分が60数GWから目減りしていくことになります(図2)。

図2●2030年のベストミックスでは太陽光は電源構成の7%(64GW)を想定
図2●2030年のベストミックスでは太陽光は電源構成の7%(64GW)を想定
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