認定失効の推定値は45.6万件

――4月21日に、改正FIT法の施行に伴い、従来の設備認定のうち、新認定に移らず失効する見込み量を公表しました。それによると、認定総数のうち接続契約を締結していない「認定失効見込み」は、45.6万件、27.66GWでした(図1)。これをどのように評価していますか。

図1●経産省の公表したFIT認定数、接続契約締結数、認定失効見込み
図1●経産省の公表したFIT認定数、接続契約締結数、認定失効見込み
(出所:経済産業省)
[画像のクリックで拡大表示]

山崎 今回の推定値の評価について話す前に、あらかじめ強調しておきたいのは、この数はあくまで「推定値」であることです。最終的に改正FIT法による新認定制度に移行するには9月30日までに事業計画を提出する必要があり、それを電力会社の持つ接続契約のデータと照合して初めて正式な認定量が確定します。そのため、新認定制度に移行した件数や容量の確定値を公表できるのは、9月30日以降になります。

 ただ、再エネ事業の関係者にとってたいへん重要な数値だけに、確定する前に少しでも早く、推定値を公表することにしました。今回の数値もそうした考え方で出したものです。電力会社に協力を依頼し、接続契約を締結した数と容量を申告してもらい、それらを集計したのです。

 あくまで電力会社からの申告ベースですし、系統入札プロセスの対象案件や2016年6月末以降に認定を取得した案件は9カ月間の猶予があり今回の見込み数から除外しているので、最終的に新認定制度に移行する案件数や容量には不確定な面もかなり残っています。

 こうした前提を理解してもらった上で、今回公表した認定失効の見込み量が、件数で45.6万件、容量で27.66GWになったことは、かなり大規模であり、稼働に至らずに滞留していた案件を一掃するという、新制度の目的の1つを着実に達成したと考えています。