日本ならではの苦労

――日本で開発を進めていく中で、苦労した点はありますか。

 最大のチャレンジは、開発候補地の地域の協力を得ることです。日本では、海外に比べて時間を要する部分となっています。

――日本ならではの特徴や違いは、何ですか。

カナディアン・ソーラー・プロジェクトのロイ社長
カナディアン・ソーラー・プロジェクトのロイ社長
(撮影:日経BP)

 まず、気象や環境です。日本では、沿岸部に立地する場合、塩害による錆などを考慮する必要があります。熱や湿気についても独特で、パワーコンディショナー(PCS)を屋外設置用の筐体に収納するなど、温度や湿度を管理し、埃を防ぐ対策も必要です。

 強風や積雪に加え、地震も多いことも特徴です。基礎や架台、PCSの屋外設置用筺体など、過酷な環境に備えてさまざまな面から考慮されているのが日本の太陽光発電所です。日本のEPCサービス事業者がこうした知見を蓄積しています。

――熊本県益城町は、2度の震度7の地震に見舞われ、大きな被害が出ました。同町にある47MWの発電所の施工にも、影響しましたか。

 熊本地震が起きたのは、土木工事中の時期でした(関連ニュース18)。幸いにも、大きなダメージを受けませんでした。ただ、その時点で、必要な応急措置は除き、施工を中断しました。

 土木工事や電気工事は、地元の企業が担当しています。再開の時期などは、彼らに一任しました。

 当初の計画では、当初は2017年初に稼働開始を計画していましたが、現在は2017年6月末の運転開始を予定しています。