太陽光パネルメーカーが自ら、メガソーラー(大規模太陽光発電所)を開発・運営する動きが国内外で活発化している。太陽光発電の川上から川下まで手掛けることで、収益基盤を多様化しつつ、パネル製造との相乗効果を出せるなどの利点がある。最も積極的に手掛けている大手の1社がカナディアン・ソーラーで、日本でも開発を続けている。国内で太陽光発電所の開発・運営を担う日本法人、カナディアン・ソーラー・プロジェクト(東京都新宿区)のジェフ・ロイ(Jeff Roy)社長に聞いた。

――日本における太陽光発電所の開発の経緯や事業の概要を教えてください。

カナディアン・ソーラー・プロジェクトのジェフ・ロイ(Jeff Roy)社長
カナディアン・ソーラー・プロジェクトのジェフ・ロイ(Jeff Roy)社長
(撮影:日経BP)

 カナディアン・ソーラーの世界全体の太陽光発電事業は、2017年2月末時点の公表値で、稼働済みが出力948MW、開発中が約2100MW(2.1GW)に達しています。

 太陽光発電所の開発を最初に手がけたカナダにおいて、開発に必要な手法を確立しました。カナダの市場は縮小しているので、現在では開発チームを世界に展開しています。

 世界の太陽光発電開発・運営の大手のほとんどは、自国市場の開発環境が悪化すると、中国などに進出し、開発しています。

 これに対してカナディアン・ソーラーは、本格的に開発する国として、日本を選びました。太陽光発電のプロジェクト開発チームとして、現在、最大規模の陣容は、米国を除くと、日本なのです。

 「米国を除く」と言ったのは、米国の太陽光発電事業者のRecurrent Energy社が加わっているためです(2015年に買収:関連ニュース1)。

 米国からRecurrent Energy社分を除くと、日本が世界最大の開発チームです。

 現在、日本では、約90人の従業員を擁しています。そして、カナダなどで培った経験に、日本独自の要素を加えてプロジェクトを開発しています。

 日本では、発電所を開発し、運用も手掛けています。プロジェクトは、当初から自社で開発する場合と、他社が開発し始めた案件を買収する場合があります。