日本のメガソーラーを1500Vで設計

――石川県宝達志水町などに約60MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設すると公表しています。2016年中に着工とのことですが、このメガソーラーには「シリーズ6」を採用するのですか。

FS 石川県のプロジェクトには「シリーズ4」を導入することになります。来年前半には、パネルの設置が始まるので、間に合わなかったのです。日本向けに「シリーズ6」を提供できるのは来年下期ごろになります。

――石川県の案件では、直流回路を1500Vで構成すると発表しています。1500Vの利点はなんですか。

FS 太陽光発電の発電コストを下げるには、パネルの低コスト化とともに、発電プラントの効率化、低コスト化がたいへん重要です。ここでもまだ工夫の余地があります。フォースト・ソーラーは米国などではEPC(設計・調達・施工)を手掛けているので、プラント設計にも新技術を取り入れています。

 直流回路の1500V化もその1つです。高圧にすることで、ケーブルを細くできたり、送電ロスが減ったりするなど、高効率化にプラスが多いのです。米国ではすでに移行が進んでいますが、日本でも1500V化は大きな可能性を持っていると思います。

――日本国内ではEPCまで手掛けることはありませんか。

FS ファースト・ソーラーは、ビジネス展開する国ごとに手法を変えています。日本では我々以上に風土や環境に合ったメガソーラーの建設で優れた企業がおり、そことパートナーシップを構築してメガソーラーを展開していく方針です。ただ、もちろんプラント設計などに際し、海外で蓄積したノウハウなどを提案し、議論に参加することはあります(図2)。

図2●ファースト・ソーラーが日本国内で建設したメガソーラー
図2●ファースト・ソーラーが日本国内で建設したメガソーラー
(出所:日経BP)
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