ウエストホールディングスは、傘下のグループ会社を通じて、住宅向けと事業用太陽光を対象に、設計・施工からO&M(運営・保守)、発電事業など、太陽光発電システムの総合企業として、業容を拡大してきた。ウエストグループ内で、太陽光のO&Mサービス事業を担うウエストO&M(広島市)の大山正彦社長に、稼働して数年を経たメガソーラー(大規模太陽光発電所)の保守・点検のポイントなどに関して聞いた。

約300件のO&Mを受注

ウエストグループでは、ウエストエネルギーソリューション(広島市)が240カ所以上のEPC(設計・調達・施工)サービスを手掛けるなど、太陽光発電所に関して日本有数の施工実績を持ちます。完成後のO&Mサービスでの契約実績と目標を教えてください。

ウエストO&Mの大山正彦社長
ウエストO&Mの大山正彦社長
(出所:日経BP)
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大山 これまでの契約実績は約300件で、合計容量で400MW以上になります。実は、当初、目標を320件に設定していましたが、達成が見えてきたので、次は400件、その先は500件を目指したいと思っています。

 ウエストエネルギーソリューションのEPC案件をO&Mサービス企業として引き継ぐことはもちろんですが、他社のEPC案件からの受注にも力を入れています。

 ここに来て、メガソーラーのEPC事業から撤退する企業もあり、そうした会社は、系列企業を通じたO&Mサービス事業からも撤退傾向にあります。こうした企業に委託していたサイトから、O&Mの委託先を切り替えたいとの問い合わせも増えています。

太陽光のO&Mサービス事業は、成長分野であると共に、競争も激しくなっています。

大山 ウエストグループでは、住宅太陽光などこれまでに培ってきた太陽光パネルに関するノウハウに加え、高圧配電線や特別高圧送電線に連系する大規模案件まで手掛け、連系設備に関するノウハウもあります。こうした幅広い業容やノウハウが強みになっています。

今後、過当競争から安値受注に巻き込まれることはありませんか。

大山 こうした他にない強みをアピールするとともに、当然ながらO&M業務の効率化が重要なテーマで、すでに取り組んでいます。例えば、高度な専門技術者を現場に派遣するとコストがかかるため、ウエブ画像などを使って、現場技術者と高度な専門家が遠隔で打ち合わせながら不具合に対応しています。業務を効率化しつつ、O&Mの品質も維持する仕組みを導入しています。

 どんな業界でもそうですが、効率化しつつ、品質を向上・維持していく不断の取り組みを続けることが、生き残っていくための条件です。