国産PCSによる1500V設計も

 買取価格の低下によって、2017年から本格的に採用が始まりそうなのが、直流回路の1500V化だ。

 現在、国内外のメガソーラーは1000Vが主流となっているが、高効率化・建設コスト低減を目指した次世代システムとして、直流1500Vでのシステム構築が世界的に注目されている。1000Vに比べ1500V系システムでは、設備全体での高効率化に加え、機器類の集約化や工事工数の削減により建設コストを低減できる。

 2016年7月にLooop(東京都文京区)が茨城県にある自社所有の太陽光発電所に、直流1500V対応のパワーコンディショナー(PCS)を導入すると発表している。同社は 米ゼネラル・エレクトリック(GE)製の1500V対応機を導入する。

 国内メガソーラー向けPCSでシェアトップの東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、2016年6月、米コロラド州に建設するメガソーラー向けに、直流1500V仕様で定格出力2.7MWのパワーコンディショナー(PCS)を受注したと発表している(図5)。

図5●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が海外で受注した1500V機「SOLAR WARE 2700」
図5●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が海外で受注した1500V機「SOLAR WARE 2700」
(出所:TMEIC)
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 国内のメガソーラープロジェクトでも、すでに1500Vを前提した設計が検討されており、2017年には、Looopに続き、国内メーカー製のPCSを使った1500Vシステムの採用が正式にリリースされそうだ。