1444枚ものパネルを撤去

 瀬戸市は県とも協議し、基本的にこの是正計画の内容を受け入れることを12月1日に発表した。最終的に決着した是正計画では、4592枚のパネルのうち、防災用調整池の新設と里道の回復によって3分の1にあたる1444枚を撤去することになった(図4)(図5)。

図4●里道を復旧して両側を緑化する
図4●里道を復旧して両側を緑化する
(資料提供:瀬戸市)
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図5●パネルの3分の1を撤去することに
図5●パネルの3分の1を撤去することに
(資料提供:瀬戸市)
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 緑地に関しては、里道両側の緑化などが追加されたことで、森林法が求める緑化率25%を超える35%の緑地を確保することになった。売電収入からの寄付に関しては、今後、市と協議して具体的な金額を決める予定だ。

 今回の着地点に関しては、県の関連機関の職員が建設現場を目撃しながら、見過ごしたことが発覚し、行政機関の連携不足などが批判された。ただ、私有地への建設行為に関し、条例に中止命令などを実施する強い権限はないのが実体だ。

 むしろ瀬戸市は、「万博の理念」を根拠に粘り強く「全面撤去」を申し入れたことで、最終的に法の求める範囲以上に、パネル撤去と緑化地帯を実現したとも言える。

 逆にメガソーラー事業者側に立てば、関係法規を甘く見たことが大きな出費につながった。法令違反によって、「事後的許可」という形になり、「悪質」と見られて市民の反感を買い、それを背にした自治体との関係が悪化した。結果的に3分の1ものパネル撤去を余儀なくされたともいえる。