PCSにはヒーターを追加

 例えば、北海道内の寒冷地では、パワーコンディショナー(PCS)には、屋外用の筐体(エンクロージャー)内にヒーターが追加されている。一定以上の低温時には、空調機に加え、ヒーターで暖めて過剰な低温による動作の停止を防いでいる(関連コラム)。

 こうしたヒーターは、他の地域に設置されたPCSでは、あまり見かけない。

 北海道電気保安協会が電気保安管理業務を担当している太陽光発電所では、低温の影響によって、発電の不具合ではないものの、点検に支障が出た例があるという。

 PCSや昇圧変圧器(キュービクル)を点検する際には、出力などの数値は、それぞれの機器が備える液晶パネルに表示されているデータを確認する(図2)。

図2●液晶パネルの表示からPCSの発電データを書きとめている様子
図2●液晶パネルの表示からPCSの発電データを書きとめている様子
北海道電気保安協会による定期点検時(出所:日経BP)
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 ある太陽光発電所を定期点検した際、極端に寒い日となったため、この液晶パネルの表示が見えにくくなり、正確な数値を把握できない時があった。

 液晶パネルは、一定の温度を下回ると、動作に影響し、正確に表示できない場合がある。そこで、大型機器の場合、動作温度より低くならない工夫をしていることが多い。

 この例の場合には、何らかの事情で、液晶パネルに外気温が伝わりやすくなっており、極端に寒い日が重なったことで、液晶パネルの動作温度を下回ったタイミングと点検が重なったと見られている。