9月10日、台風18号の影響による記録的な豪雨が続き、茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊したり、堤防を越えて川の水が溢れ出る「越水」による被害が生じた。

 溢れ出た場所のうちの1カ所は、鬼怒川の東側に位置する若宮戸地区にある、複数の太陽光発電所に隣接する川岸だった(図1)。

図1●若宮戸地区にある太陽光発電所に隣接する川岸から越水
図1●若宮戸地区にある太陽光発電所に隣接する川岸から越水
中央右が越水地点。その右隣に複数の太陽光発電所がある(出所:国土交通省・関東地方整備局)
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 これまで、「メガソーラービジネス」では、以下のように、太陽光発電所に隣接する川岸に人工堤防がなく、自然堤防の役割を担っていた丘陵部が、出力1.8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設時に削られていた問題を中心に報じてきた。

 今回は、このメガソーラーや、より川沿いの隣接地にある50kW未満の三つの低圧連系の太陽光発電所の発電設備の設置状況について、被害の状況や問題点を取り上げる。