遮光や保護をせず上向きに積み重ねる
「メガソーラービジネス」による太陽光発電所の取材中に、被災した太陽光パネルが、適切に処理されているのかどうか、疑わしい光景を目撃することもある(図2)。
例えば、水害によって被災した後、復旧したメガクラスの規模の太陽光発電所が近隣する県道の脇に、太陽光パネルが置かれたままになっていたことがある。交換後の被災パネルとみられる。
整然と積み重ねられていた様子から、リユース事業者に引き取ってもらうまでの仮置きと推察できる。
ただし、太陽光パネルの表面を上に向けており、日射があれば発電する。シートなどで遮光したり、外傷を受けないように保護するような措置は取られていなかった。
歩道とは、ガードレールで区切られた場所ではあるものの、通りかかった人が近づいて触れることができる状態にある。盗難の恐れもある。望ましい状態とはいえないだろう。
リユース事業者への売却の観点からも、屋外で長く放置されていた太陽光パネルは、それだけ損傷が増える恐れが高く、引き取り価格の低下につながる可能性がある。
今後、同じような被災だけでなく、発電期間が10年、20年と長期化するとともに、その時点での制度と太陽光パネルの価格性能比次第で、太陽光パネルを大量に交換する発電所が出てくることが予想される。
さまざまな事情で太陽光パネルを大量に破棄したり、交換することになった場合、発電事業者には、適切に保管・管理する責任がある。
周辺住民が触れることを含めた二次被害を防ぐため、できる限り早く、処置することが求められる。迅速な対応が、太陽光発電所に対する信頼感を維持し、復旧に要するトータルコストの削減にもなる。