河川に近い場所に立地する太陽光発電所のリスクの一つに、想定以上の大雨などによる水害がある。近年、国内外で「観測史上最多」「数百年に一度」という規模の豪雨に見舞われる地域が相次いでいる。こうした極端な気象で溢水や堤防の決壊によって河川が氾濫し、太陽光発電所が被災する例が出てきた。

 2014年6月4日には、宮崎県の中部にある児湯郡川南町において、平田(へだ)川が氾濫し、近隣に立地している2カ所の太陽光発電所が水害を受けた(図1)。

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図1●被災した宮崎県川南町平田のメガソーラー
図1●被災した宮崎県川南町平田のメガソーラー
被災直後の様子(出所:地域の住民が提供)
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 低気圧と梅雨前線による大雨が九州南部に集中的に降り、近くを流れる平田川が氾濫したことで起きた。

 平田川の氾濫により、川南町では周囲の道路が一部陥没したほか、田んぼや事業所に、泥や流木の混ざった水が押し寄せた。流れ込んだ先の一つが太陽光発電所だった。

 流木が多いのは、この太陽光発電所と隣接する製材所もこの氾濫で被災し、その敷地内から大量の木材が流れ出したことにもよる。製材所が上流側、太陽光発電所が下流側に位置している。

 製材所の近隣の橋では、橋げたを起点に大量の木材がたまってダムのようになり、水をせき止めた(図2)。この現象と、川の氾濫の因果関係は明らかになっていない。

図2●橋に大量の木材がたまり、ダムのように水をせき止めた
図2●橋に大量の木材がたまり、ダムのように水をせき止めた
橋げたを起点に大量の木材がたまった(出所:地域の住民が提供)
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