復旧前から姿が大きく変わる
この太陽光発電所は、被災からの復旧時に、今回の水害の教訓を生かした対策が加わっていた(図4)。
一つは、流木や泥水が押し寄せた西と南に、防潮堤のようにコンクリートの壁を築いた。被災前は、通常の太陽光発電所と同じように、フェンスを張り巡らせていた。
壁は大人の背丈よりも高く、2m近い。一般的なメガソーラーでは、まず見られない光景で、少し威圧感も感じる(図5)。
万が一、同じような流木混じりの氾濫が起きたときに、敷地内の太陽光発電設備を守る狙いとみられる。
もう一つは、架台の高さを、被災前よりも高くした(図6)。従来よりも、1m程度高くなっている。これは、水だけが押し寄せて壁を越えた場合でも、発電設備が浸水しないための対策とみられる。
いずれも、コストアップの要因となる変更である。ただし、発電設備が同じように被災して、売電機会を逸する恐れは少なくなる。
追加コストをかけてでも、極端な気象による川の氾濫に備えることが、災害リスクを減らし、長期にわたる売電事業を安定化させると考えたものとみられる。